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山の神への・・・・ [畑]

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みずたま農園の園地は
半分以上、山間部の中にあります。
離島での農業
平地部分は貴重であり、
一等地です。
仕事場=山
と言っても過言ではありません。

怖いです。
恐ろしいです。
猪、蜂、毛虫、ムカデ、マムシ、被れる植物
敵だらけです。
もう、全身虫刺されです。
取り扱う道具も
刃物が高速回転する草刈機や
堅い柑橘の枝を
一瞬にして切断してしまう
電動剪定ハサミ
凄まじい馬力で斜面部を上ってゆく
モノラックなど
使い方を間違えたら
大怪我をするような刃物、エンジン機器
そんな物だらけ。
それらを凸凹だらけの園地で
的確に操らなければなりません。
最近
無事、山から家に帰ってこられると
誰とも無く感謝を感じてしまいます。
ああ、今日も無事で良かった・・・・。

マタギなど、山へ入る仕事では
掟、山ノ神への祈り、独自の節回しでの祈祷などがあります。
今までは、なんとなく儀式めいた
形式的な伝統と言った捕らえ方をしていたのですが、
実際、自分が山へ入り、
自然の中でその恵みを受けながら
生計を立てる、
そんな生活をしていますと、
なんだかグッと身近なものとして感じてしまいます。
虫たちと、草たちと戦い
怪我に気をつけて、運良く果実を実らせることが出来ても
一回の台風で全てが無に帰するかも知れません。
心配したらキリがありません。
全てのリスクを背負いながらも
それでも兎に角、園地に赴かないことには
何も始まりません。
そういう状況におりますと、
「祈るしかない」
感じに自然になっていくものなのかな、と。


宮沢賢治の童話
「なめとこ山の熊」
という話がとても好きです。
生計のために熊を殺す猟師の小十郎も
物語の最後で小十郎を殺す熊も
互いを憎んではいない。
山に居るとき
そんなことがリアルに感じられるような
そんな気がするのです。










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