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経緯 その一 [プロローグ]

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↑ 与島パーキングエリアより瀬戸大橋を望む

「某有名私立音大図書館職員」
移住前に東京で僕に与えられていた肩書きは、
いわゆる 「非正規雇用」 という不安定な身分ではあったが
響きも悪くなく
元々音楽が大好きな僕としては
その環境をそれなりに楽しんではいた。
有給が多かった。
大学が休校である期間で、開館日は途中何日かあるものの
夏休み約三週間、冬休み約2週間
その他に年間20日ほどのランダムに取れるという
まるで「夢のような」(笑)
有給が僕には与えられていた。
長女が1歳の時に入社して、それから辞めるまでの6年間の間に
次女、長男を授かり
可愛い盛りの子供たちと一緒に過ごせる時間を
十二分に与えてもらった会社には本当に感謝している。
結婚を機に、それまでの自由気ままな生活を一変しようと決意。
36歳からの遅い遅い就職活動だったので(笑)
正直、言葉にはできない辛い場面にも多々遭遇したのだが、
やはりあそこで頑張って良かった、と心から今は思うのである。
家族が家族たる所以は共に過ごす時間であると僕は思う。
そのことにおいておそらく僕は日本で最高の仕事を得ていた
と思うし、そしてそれは事実だろう。

家族と過ごす平和で緩やかな時間があると同時に
職場での疑問や苦しみは続いていた。
「夢のような」有給を持っていた僕でさえ
やはり働いている時間の方が長いのである。
家族との絆はゆったりとやさしく深まっていったが
それと引き換えに僕の中の何かが少しづつ
蝕まれていくのが分かっていた。
「仕事」ともっと真剣に向き合わなければならない。
避けて通れない命題と感じ転職を決意。
今回は以外とすんなり転職先が決まり、
ホットしたのもつかの間
この会社がとんでもない(笑)会社で
入社3日目くらいでそのことを悟る。
やはり世の中は甘くない。
かなりの決意での転職だったのでその失敗は
僕から冷静さを奪いパニックに陥ってしまった。
このままでは精神に支障を来たしてしまう
すがるような思いで妻に会社を辞めたいことを告げると
「いいよ」
と二つ返事。
その昔読んだ本に
「人は愛されることによって初めて何事かを成し遂げることができる」
とあった。
そして「何もできない」という無力感ほど人間にとって辛いものは
ないと思う。
今回の移住のスタートは具体的にはあそこにあったと思う。







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