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これで自由になったのだ


東京から中島に移住した時、
荷物を運び出した部屋から直接島には向かわず、
両家の実家に数日ずつ滞在をしてから
島へ立ちました。

実家に到着してから、
下駄箱の中に、
おばあちゃんに買ってもらった
ばかりの長男のアンパンマンの靴を
忘れたことに気づき、
1人で取りに帰った時のことを
ふと思い出していました。

一日前まで5人で生活していた部屋。
2人から、3人、4人、5人になった部屋。
あまりに沢山の思い出が詰まった、
ガランと静まり返った部屋に1人立ち、
はじめて、泣きました
アンパンマンの靴を持ち、
家族でいつも歩いた駅までの道を1人、
ボロボロ泣きながら歩きました。

あの時取りに戻らなきゃいけなかったのは
きっと靴じゃなくて、
部屋に残してきた私の思い。

ちゃんと拾ってちゃんと抱きしめて、
それからちゃんと手放した。
そうしてやっと、
ちゃんと島に向かえたのです。

新しい扉を開く時、
貫き通すのも難しいけど、
手放すことはもっと難しい!

それでも一旦は手放した思いでも、
それが本モノならば決して消えることなく、
もっとずっと自由に大きくなっていくような、
なんだかそんな気がするのです。
 
思い返すと、
結婚してここまで一番大変だったのは、
思いを手放すという行為だったのかもしれません。
それは時にとても苦しい事でもあったけれど、
それが出来たのは、
二人が同じ目的地を目指しているからなのでしょう。

全部手放してったら、
一体最後には何が残るのでしょうか。
 



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