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お弁当 [島暮らし]

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何歳になっても
母親というものはありがたい存在でして
僕の母親も妻のお母様も
季節の変わり目や
何かの記念日や
別に何でも無い日でも
遥か東京の地から
色々なものを段ボールに詰めて
送ってもらっています。
先日、妻の母上からは
子供たちへの沢山の肌着を送って頂きました。
急激な寒波に襲われた四国地方。
まるでそれを予知されていたかのようなタイミングで
肌着は届きました。
母なる大地、母なる海
のような言葉がありますが
これほど的を得た言葉はなく
「父なる」ではなんとなくピンときません。
男の僕には確実に理解不可能な現象、妊娠。
自らの身体に別の命が宿るということ
あらためてその事を意識するとき
畏れすら感じたりします。
その昔
博多にいた祖母が健在だったころ
喜寿のお祝いの席での写真があり
そこに並ぶ母の一族を眺めていたとき
祖母から派生した命の多さに感動したことを覚えています。

母から届く荷物や手紙
それはどこか気恥ずかしかったり
野暮ったさを感じたりしますが
偉そうにヒゲなどを生やして
一人前になった気でいても
母から見ると、オムツをして泣いていた頃の僕と
今でもそんなには変わらないのかも知れません。
以前
電車に乗っていた僕の前に
一組の親子。
あれは三歳くらいの子だったのかな。
小さな男の子が満面の笑みを浮かべ
「僕ね、お母さん大〜好き。」
と言っていた風景を8ミリフィルムを見るような感じで
記憶しています。
ああ、俺もそうかも。と何だか突っ伏して泣いてしまいそうで
泣いたらみっともないと必死で堪えました(笑)

先日、みかんを捥いでいました。
ここ最近天候が悪く
晴れ間があるときは必死です。
そんな仕事の最中
「飯食ったのか〜?」
と初老のご夫人に話しかけられました。
「いえ〜まだです〜!」
僕は答えました。
ご夫人何も言わずにその場を去り
しばらくして僕の為にお弁当を持ってきてくださいました。
暖かい特大のおにぎりが6つ、キンピラにオカラがおかず。
おにぎりに絶妙の塩が効いていて
さすが外仕事をする人間の舌を理解していらっしゃると感じ、
同時に母を思い出しました。
「お腹空いてないの?」
母の声が聞こえてくるようで。

全身麻痺、舌で絵を描く画家 星野富弘さん。
以前職場の同僚にプレゼントされた、星野さんの本の中に
看病をしている星野さんのお母様が
「我が身を切り刻んででも生きる力を富弘の身体の中に送り込みたい」
と回想したと記してありました。
星野さんはそれほどの愛に応える術を持っていなかったと書いていらっしゃいますが
舌で絵を描くことへの挑戦は
やはりこのお母様の愛情と無縁では無かったのではないでしょうか。

親孝行を思う時
なんだかシュンとしてしまう僕ではありますが
とにかくも自分の理想に挑戦し続けることが
親孝行でもあるのかななどと勝手に思い込んでいます。
ですが、母からすれば僕が元気であれば
お腹など減らさず、元気であれば
きっとそれでいいのかも知れません。
結論として母は偉大です、ハイ。















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