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無いものだらけ [島暮らし]

DSCN1123.JPG

我が家にはテレビがありません。
当然、屋根にはアンテナも無く、
先日訪れたNHKの集金係りさんも
すぐに納得されて
早々に引き上げていきました。
新聞も取っていません。
さすがに
「新聞くらい(農業新聞ですが)くらい取ろうか」
と妻と話し、
ご近所の取次ぎの方に伝えてはいたのですが、
音沙汰ありません(笑)
まあ、もういいか。(笑)
暮らしている場所は離島。
周りは全部、海。
松山市に行くにも
道も橋もありません。
船に乗るしか島を出る手段はありません。
ある人から見れば
この「何も無さ」
異常な事態なのかも知れません。(笑)


僕の母は
福岡は博多がその出身地であり
そして
結婚後はずっと東京で暮らしています。
都会しか知らない母は
住むところと言えば都会であり、
移住前に
僕が
田舎暮らしに憧れ、
風光明媚な、静かな、美しい土地の話をする度、
「景色は綺麗かも知れないけど、そんなところでどうやって生活するの」
が口癖でした。
確かに都会に比べたら
「無いもの」だらけです。
ですが、
ここが肝心な部分なのですが、
この「無いものだらけ」の感じ
これこそが、
都会に最も不足しているものであり、
都会で生まれ育った僕が
それを熱望し、
しまいには移住し
そこで生活するのも
極自然なこという捉え方もできると思います。

今、
この
「無いものだらけ」
の環境が
かつて無いほどの集中力を僕にプレゼントしてくれます。
もともと僕は
新しもの好きであり、浮気性であり、軽薄であり、汗臭いことが嫌いでした。
島へ移住してから
農業へここまで集中できているのは
離島という立地条件を逆手に取っている部分が実に大きいと思います。
僕にとって、この「何も無い」感じは
新鮮で可能性に満ち、とてもエネルギッシュなものです。
それはまるで、何も書いていないノートに
自分の好きな対象を選び
研究結果を書くことでもあり、
また
何も録音されていないトラックに
好きな音を録音し、
曲を作っていくこととも似ています。
良く言う
「真っ白なキャンパス」
は僕にとっては
最も贅沢なものでもあるのです。

透明な海に浮かぶ時。
それは
「無いものだらけ」
が僕らにもたらす祝福の時。










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