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勾配45度 [畑]

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ここは瀬戸内、忽那諸島の主島「中島」。
島のいたるところ、ミカンを中心とした柑橘の畑でいっぱいです。
畑は平地のみならず、山間部をパッチワークのように切り開いて
斜面にへばり付くように存在しており、
その斜面の向こう側に見える海との、青と緑のコントラストは
日本の原風景の一つといっても良いほど、この瀬戸内の象徴的な
風景と思います。
この斜面にある畑。
眺めたり、写真に収めたりするだけならば
美しく、優雅で、やさしげであったりするのですが
そこで農作業をやるとなると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

遥か昔NHKのニュース番組だったでしょうか。
急斜面にある畑でリポーターが取材をする場面がありました。
先を行くお爺さん(年齢は忘れましたが間違いなくご高齢の方でした。)が
飄々と畑へと続く急斜面の農道を徒歩で歩いていくとき、その後に続く若いリポーターが
息をハアハアと切らしながら
「すいません、畑はまだですか!!!!」
というシーンを見ました。
そのときは、やらせというか
(何をおおげさな)的な感じでテレビを見ていました。
が、、
きついです、斜面。あれは恐らくやらせではなかった。
大げさでなく平地でやることの3倍、4倍
やることなすこと、辛く感じます。
タイトルに勾配45度と書きましたが、実際に僕が作業をしている畑の
勾配が45度であるかは計測していないので正確な数字ではありません。
勾配45度というと実際はもの凄い勾配に感じると聞いたことがあります。
それを表現したく、タイトルに45度と書いてみたのです。
実際、急勾配の畑に立ってみると自分の身長も加算されるため
イメージとしてはかなり「垂直」に近い感じになります。
僕が一番きつく感じるのは、草刈機を使用した草刈。
両手を機械に取られるため、ほぼ両足だけで勾配に対し
踏ん張らねばならず、これを3~4時間続けていると
だんだんと足が「笑って」くるといいますか、力が入らなくなってきます。
ほんの少しの足場が見つけられれば少し休みながら
作業が出来るのですが、場所によってはひたすら「斜め」な斜面
(斜面とは基本斜めなのですが、その中にも平らな部分も所々あるのです)
もあるのでそんなときは足も滑り、手を使うこともできず、
平地ではなんてことのない動作が、身体中重りをつけたようになって
非常に体力を使います。
特に真夏の草刈は大量の汗(サウナに入ったときに近いように感じます)
をかいて、それ自体が体力を奪うため辛さが倍増します。
と書くと何も良いことがないようですが・・。

先輩農家の誰に聞いても
「美味しいのは斜面のみかん」
とおっしゃいます。
水はけ、日当たりが平地とくらべ良いのがその理由のようです。
果物にとって「美味しい」という要素は安全であることと並び
大事な要素だと思います。(商品にすることにおいて)
なのでそれを聞いてしまうと
やはり「頑張ろう」と思ってしまうのもまた事実なのです。
それと
急勾配の畑のあとに平地の畑で作業をすると
もう嘘みたいに「ラク」なのです。身体が軽いのです。
なので自分の中での体力的なハードルを上げておくためにも
この辛く、きつい(笑)急斜面での作業は必要なのかなとも思います。

先日草刈の作業中、
チクチクするなぁと思い、手を休めると
もの凄い量の
コセンダングサ、通称「ひっつき虫」の種が身体中にひっついていて
思わず
「ぐわーー!!」
休憩がてれらチマチマとそれらをつまみとる羽目に。
こいつら、中島で一番キライです・・・。









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