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経緯 その九 とりあえず中島へ [プロローグ]

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富士山の物件をすっかり気に入ってしまった僕は
なにかすっきりとしない妻の反応に
なんとなく出鼻をくじかれた感じでいた。
僕としては次々とテンポよく話を具体的に進めたかったので
住居を決めた後は仕事を、とばかりに
地元河口湖町やその周辺の町の求人を調べていた。
焦りがあった。
間を空けたくなかった。
手っ取り早く衣食住を揃えたかった。
自分たちのライフスタイルはその後
時間をかけて少しづつ築けばいいと思っていた。
人間、7年も付き合っていると
言葉などドンドン必要でなくなり、
相手の考えていることがダイレクト過ぎるほどに伝わることが多い。
彼女の富士への移住への熱の低さは
これから勢いが大切な道のりへと進むべき僕らとしては
マイナスポイントと感じた。
東京へ帰ってからというもの
僕らはずっと移住プランについて話していた。
富士へ引っ越すのか。
他の場所を探すのか。
他の場所を探すとして、また一からそこを訪れて
住居や仕事を探すのか。
段々と堂々巡りの話になり
富士に行く前の前途洋洋とした気分が
しぼみつつある。
途切れた会話の後に
「どうする?」との僕の問いに
「じゃあ、もう富士山でいいよ」
的な妻の答え。
直感としてこれは違うと感じた僕は
とりあえず富士山行きは保留に。
改めて他の移住先を二人で検討することにする。
すると彼女が
「実は農音のT中さんにメールを出していて、一度来てみてはどうか、と返事を
もらっている」
とのこと。
移住にあたってはあらゆる意味でゼロ発進したかった僕は
既存の団体に世話になること自体物憂く
気が進まなかった。
が、事態は行動を必要としていた。
きっかけは望んだものでは無かったが
ではとりあえず、行ってみますか中島へ
ということへなった。

つづく




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